足利八木節 ~朝倉八木節保存会~

子曰く、学びて思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)く、
思いて学ばざれば、則ち殆(あやう)し


足利学校山あげ祭を見た次の日、栃木県足利市に住む大学時代の後輩、菅原君に連れられ日本最古の学校である足利学校へ入学(?)しました。

上の文章は
儒教の祖である孔子の言葉を集めた書物論語の一節で、足利学校の特別体験で素読したものです。




儒教が日本に輸入されたのは約1700年前であると言われていますが、
いまだに日本人の道徳観念の大きな部分を担っているように思います。
上の言葉もそうですが学校で購入した簡易版「論語沙」に目を通すと、どれもそうだよね~と頷ける内容のものばかりでした。まぁ、中々実行できないんですけどね。。

いやぁ勉強になったね~とか言いながら足利学校を卒業し、お土産屋さんを散策しているとどこからともなく太鼓の音色が聞こえてきました。
最初はCDか何か流してるんだろうと思いましたが、近づいてみると本物!!

足利が発祥という元祖八木節でした。

足利八木節 朝倉八木節保存会電池が切れて動画が撮れなかったことが本当に悔やまれるほど、息のあった完璧な演奏、踊りでした。

地元足利出身の菅原君は、僕が
「ちょっとこれヤバイじゃん!、
めちゃくちゃかっこいいじゃん」
と言っても、あぁそうすか?
とそっけない返事でしたが、
これヤバイです。


これまでほぼ日本の伝統音楽を意識する機会がなかった僕は、恥ずかしながらこの八木節の存在を知りませんでした。
実家の母にもばかにされましたが、ホントいいですねこれ!

大正生まれの比較的若い芸能というだけあって、分かり易いというか素直に楽しめます。
ただ疑問に思ったのはお客さんがほぼ居なかった事。。
地元にこんな素晴らしい芸能があるのにもったいない!
演奏されてる方はそんなのへっちゃら、という位思いっきり楽しんでらっしゃいましたけど。

こりゃたまらんと思い、横で休んでいた方に話を伺ったところ、
「お兄ちゃんやってみたら?、次一緒にやんなよ!」
まぁ、なんと寛大な。。

んで、やりました(笑)

八木節 俺いや~、楽しい~!
幸せ~!

嬉しそうでしょ?

僕が叩かせて頂いたのは鼓ですが、なんとスティックで叩くんですね~。
昔は松脂を使っていたそうですが、現在はガムテープでぐるぐる巻きです。

文明の利器ですね。


さて、叩いたリズムですがこれが面白い!

足利八木節ドラム譜これはもうビートそのものです。
最初の入りの1小節だけ決まりがありますが、後はずっと一緒。
止まる時は笛の合図で止まります。

ドラムで叩くとするとこんな感じになるんではないでしょうか?(汚くですみません)

アフリカのフェラ・クティが始めたアフロビートに近いものがありますね。
う~ん、いい感じ。

話が少しズレますが、譜面が出てきたところで最初にひとつだけ断っておきたい事があります。
これはあくまでドラムで叩くとすればこうなんじゃない?
という提案であって定義ではありません。
はっきり言ってこの譜面はもうこの時点で八木節のそれではありません。
八木節にヒントを得たドラムのビートの譜面です。
伝統的な音楽に対しては常に敬意を抱いていますし、長年磨かれ受け継がれてきた重みを感じています。伝統を汚すような意図はまったくない事だけはご理解いただきたいのです。
 
僕が譜面を起こす理由は例えばこういうことです。

今まで締太鼓を叩いていた日本人が西洋の新しい楽器を初めて手にした時のことを考えてみて下さい。
すぐにアメリカ人の真似をしてジャズを演奏するか、今まで叩いてきたリズムを試してみるか。
どうです?後者の方が独自の新しいものに発展する可能性があると思いませんか?
そういうチャンスが一度はあったわけです。
 
戦後日本は前者の道を選びますが、僕はロマンチストですから後者の道を歩んだ日本の音楽が聴いてみたい。どういう発展をしていくのか考えただけでもワクワクします。
そのために参考になるような譜面の紹介という意図で載せました。

もちろん僕の主観で起こす譜面ですから偏りは出てくるでしょう。
ですが僕も日本人です。
本場の現地人ですから、外人が起こす譜面よりは参考になるのではないでしょうか(笑)
 
最後になりましたが、気さくに仲間に入れていただいた朝倉八木節保存会の皆さん。
本当にどうもありがとうございました。


追伸

実際にドラムでさわりの部分を実演してみました。
やっぱりドラムだけだと寂しいですが、ギターのカッティングなんか入ると
ファンキーになりそうな感じです。
せっかくなので唄ってしまいましたが、素人なので大目に見てください(笑)




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コメント(6)

こんちは、先日はど~もお疲れ様でした。

そして、早速拝見させていただきましたw
記念にこのページは印刷して永久保存しときますんで☆

先輩にことのほか喜んでいただけたので僕にとってもいい思い出になりました。

おかげさまで地元を愛する気持ちが少し芽生えましたね。。

是非またいらして下さいね!!

ありがとう!
コメント第一号だね、嬉しいよ。
ってか今までコメントできない設定になってて昨日気づいて直しました(笑)

まじ八木節見れたのはミラクルだったね。
菅原くんにはホント感謝☆
足利にはまた是非顔を出させてもらいます。
朝倉八木節保存会のメンバーの方に会ったらよろしくお伝えください。
ご両親にもよろしく!

変わらなければ保存されない文化と、変わらず維持されなければいけない文化。僕は二種類あると思う。口承文化とかは変容し易い。僕の勉強してるカポエイラも昔は唯の奴隷黒人の喧嘩で、武器もあったそう。そしてでも今ではブラジルが自国の文化であることを認めました。先週に大きなイベントがありました。で日本の古き良き文化も昔から保存されていて、守られるものとそうでないものがあってコーシロー君のした譜面に起こす事もまったく文化に対して失礼ではないと思う。てか動画見たいんだけど…

コメントありがとう、ゆうた君には本当にお世話になりました。
面白い意見だね、ちょっとそういう発想は俺にはなかったなぁ。
ただ文化の生まれる背景ってのがあって、たとえば日本のお祭りは大方が神道における神(もともとの純粋的な意味では自然と同義)への感謝であったり鎮魂なのね。
その部分が変わらなければ外見や手段が変わってもスピリットは受け継がれていくと思う。
クリスマスも日本では神道の行事の一つって考えがあるみたいだけど、俺はそれに同感です。日本の神様は人間がイキイキと生活することを一番喜ぶからね。
カポエラも Viva Meu Deus って歌うじゃん、ただの黒人奴隷の喧嘩にそういった意味合いが付け加えられたとすればどういう背景があったのか、何か大きな力の介入があったのかとかすごく興味深いね。
カポエラの本場サルバドールで真剣に学んでるゆうた君の姿勢には影響を受けました。
俺も本場日本で真剣にやるよ。

やっぱ自分の足で行って本物見ないと何も分かんないし説得力もないよね。
今後もさらに加速してカポエラ道を突き進んで下さい。

余談だけど、あなたのコミュニケーション力の高さが非常に羨ましかったです。
俺はあそこまでできない(笑)

こんにちは 日本ビートですか、確かにお祭り囃しはピーヒャラピーヒャラに代表されるようにビートから目をそらしていたように思います。新しい着眼点の当ブログの今後に大いに期待します。実家のお母様も指摘されたように“八木節”は日本ビートの最高傑作でありジャズメンもよくとりあげています。日本でも寺内タケシとブルージーンズのエレキコンボでのアレンジ、演奏は秀逸であり必聴です。歌舞伎の狐忠信も落語にも取上げられるほど庶民に浸透していますのでこれまた聴いてみて下さい。青森ねぶた、阿波踊り、やっさ祭りなどビートの利いた日本の音(におい)、日本の夏、を、大いにお楽しみ下さい

どうもありがとうございます。
八木節はほんとかっこいいですよね。
日本のジャズでも取り上げられているとは、、、
寺内タケシとブルージーンズのバージョンもあるんですね、
是非聴いてみたいものです。


八木節のビートを最高傑作と位置づけるとは、さすが鈴木さんです。
ビートという観点からみれば八木節は本当によくできてますよね。
ものすごい可能性を感じます。

広島に帰ったらまたゆっくり話したいですね。
こと姫バンドの活躍にも期待しています☆

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