実演: 2008年7月アーカイブ

子曰く、学びて思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)く、
思いて学ばざれば、則ち殆(あやう)し


足利学校山あげ祭を見た次の日、栃木県足利市に住む大学時代の後輩、菅原君に連れられ日本最古の学校である足利学校へ入学(?)しました。

上の文章は
儒教の祖である孔子の言葉を集めた書物論語の一節で、足利学校の特別体験で素読したものです。




儒教が日本に輸入されたのは約1700年前であると言われていますが、
いまだに日本人の道徳観念の大きな部分を担っているように思います。
上の言葉もそうですが学校で購入した簡易版「論語沙」に目を通すと、どれもそうだよね~と頷ける内容のものばかりでした。まぁ、中々実行できないんですけどね。。

いやぁ勉強になったね~とか言いながら足利学校を卒業し、お土産屋さんを散策しているとどこからともなく太鼓の音色が聞こえてきました。
最初はCDか何か流してるんだろうと思いましたが、近づいてみると本物!!

足利が発祥という元祖八木節でした。

足利八木節 朝倉八木節保存会電池が切れて動画が撮れなかったことが本当に悔やまれるほど、息のあった完璧な演奏、踊りでした。

地元足利出身の菅原君は、僕が
「ちょっとこれヤバイじゃん!、
めちゃくちゃかっこいいじゃん」
と言っても、あぁそうすか?
とそっけない返事でしたが、
これヤバイです。


これまでほぼ日本の伝統音楽を意識する機会がなかった僕は、恥ずかしながらこの八木節の存在を知りませんでした。
実家の母にもばかにされましたが、ホントいいですねこれ!

大正生まれの比較的若い芸能というだけあって、分かり易いというか素直に楽しめます。
ただ疑問に思ったのはお客さんがほぼ居なかった事。。
地元にこんな素晴らしい芸能があるのにもったいない!
演奏されてる方はそんなのへっちゃら、という位思いっきり楽しんでらっしゃいましたけど。

こりゃたまらんと思い、横で休んでいた方に話を伺ったところ、
「お兄ちゃんやってみたら?、次一緒にやんなよ!」
まぁ、なんと寛大な。。

んで、やりました(笑)

八木節 俺いや~、楽しい~!
幸せ~!

嬉しそうでしょ?

僕が叩かせて頂いたのは鼓ですが、なんとスティックで叩くんですね~。
昔は松脂を使っていたそうですが、現在はガムテープでぐるぐる巻きです。

文明の利器ですね。


さて、叩いたリズムですがこれが面白い!

足利八木節ドラム譜これはもうビートそのものです。
最初の入りの1小節だけ決まりがありますが、後はずっと一緒。
止まる時は笛の合図で止まります。

ドラムで叩くとするとこんな感じになるんではないでしょうか?(汚くですみません)

アフリカのフェラ・クティが始めたアフロビートに近いものがありますね。
う~ん、いい感じ。

話が少しズレますが、譜面が出てきたところで最初にひとつだけ断っておきたい事があります。
これはあくまでドラムで叩くとすればこうなんじゃない?
という提案であって定義ではありません。
はっきり言ってこの譜面はもうこの時点で八木節のそれではありません。
八木節にヒントを得たドラムのビートの譜面です。
伝統的な音楽に対しては常に敬意を抱いていますし、長年磨かれ受け継がれてきた重みを感じています。伝統を汚すような意図はまったくない事だけはご理解いただきたいのです。
 
僕が譜面を起こす理由は例えばこういうことです。

今まで締太鼓を叩いていた日本人が西洋の新しい楽器を初めて手にした時のことを考えてみて下さい。
すぐにアメリカ人の真似をしてジャズを演奏するか、今まで叩いてきたリズムを試してみるか。
どうです?後者の方が独自の新しいものに発展する可能性があると思いませんか?
そういうチャンスが一度はあったわけです。
 
戦後日本は前者の道を選びますが、僕はロマンチストですから後者の道を歩んだ日本の音楽が聴いてみたい。どういう発展をしていくのか考えただけでもワクワクします。
そのために参考になるような譜面の紹介という意図で載せました。

もちろん僕の主観で起こす譜面ですから偏りは出てくるでしょう。
ですが僕も日本人です。
本場の現地人ですから、外人が起こす譜面よりは参考になるのではないでしょうか(笑)
 
最後になりましたが、気さくに仲間に入れていただいた朝倉八木節保存会の皆さん。
本当にどうもありがとうございました。


追伸

実際にドラムでさわりの部分を実演してみました。
やっぱりドラムだけだと寂しいですが、ギターのカッティングなんか入ると
ファンキーになりそうな感じです。
せっかくなので唄ってしまいましたが、素人なので大目に見てください(笑)




まず「日本的」としたことについて。

音楽をはじめ日本の文化は外来の文化からの影響が大きく「日本の」としてしまうと、語弊が生じてしまう恐れがあるため避けました。

ビートとは

*ウィキペディア参照
打点であり、基本の単位として聞こえる基準のことである。したがって、ビートとは、曲から基本的な時間の単位を取り出したものである。つまり、音楽に合わせて足を踏み鳴らすとすると、それぞれの足踏みがビートということになる。文脈によって、ビートは次のいずれかの意味で使われる。

ということですが、一定のリズムがある程度続いていればそれをビートとします。
ですので雅楽等で叩かれる一定でないリズムは一旦対象から外しておく考えです。

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